「手にとってみたい！」
そう思わせるパッケージデザインは、商品をヒットさせるための重要な鍵です。
でも、どうすれば人の心を掴むデザインが生まれるのでしょうか？
そこで今回は、ユーザーテストの価値と、売れるパッケージに欠かせない3つの視点について深掘りしていきます。
特に、若者層に人気の冷凍スイーツのパッケージデザインを手がけた経験も交えながら、トレンド感満載のヒントをお届けします。
デザインとライティング、両方の視点から「売れる」を生み出す秘訣に迫っていきましょう！
目次
ユーザーテストの価値とは
ユーザーテストって、実際にどんなメリットがあるの？と疑問に思う方も多いでしょう。
ここでは、その価値をグッと掘り下げていきます。
リアルな反応を引き出す方法
まず、ユーザーテストの醍醐味は、ターゲットとなる人々の「生の声」を聞けることです。
例えば、こんな方法でリアルな反応を引き出せます。
- 20代～30代の女性を対象としたグループインタビューの実施
- 実際に商品を使ってもらい、その様子を観察する行動観察テスト
- オンラインアンケートで、パッケージの第一印象や購入意欲を数値化
これらを通じて、デザインのどこが魅力的に映ったのか、逆にどの部分に違和感を持ったのかなど、具体的なフィードバックが得られます。
ターゲット層のインサイトを深く理解することで、より心に響くデザインに近づけることができるのです。
テスト結果をどう生かすか
ユーザーテストから得られた貴重な意見。
これを、デザインやキャッチコピーの改善にどう反映させていくかが腕の見せどころです。
具体的な手順を見ていきましょう。
- テスト結果を、デザイン要素やコピーの項目ごとに整理
- 特に多かった意見や、重要度の高い指摘をピックアップ
- それらを踏まえて、複数の改善案を作成
- 再度テストを実施し、効果を検証
このように、テストと改善を繰り返すことで、ユーザーのニーズに合致したパッケージへとブラッシュアップしていけるのです。
ちなみに、定性データ(感想や意見)と定量データ(数値化された評価)を組み合わせると、改善の方向性がさらに明確になりますよ。
| 評価項目 | 定性データの例 | 定量データの例 |
|---|---|---|
| デザインの第一印象 | 「色合いが鮮やかで、目を引く」「少し子供っぽい印象を受けた」 | 5段階評価で平均4.2点 |
| キャッチコピー | 「”とろける食感”という表現に惹かれた」「”限定”という言葉に弱いので、つい買いたくなる」 | 5段階評価で平均3.8点 |
| 開封のしやすさ | 「開け口が分かりづらくて、少しイライラした」「開けた瞬間に、ふわっと良い香りが広がって嬉しかった」 | 「非常に開けやすい」と回答した人が75% |
| 購入意欲 | 「このパッケージなら、自分用に買ってもいいかも」「プレゼントには少しカジュアルすぎる気がする」 | 5段階評価で「購入したい」と回答した人が60% |
| パッケージのサイズ感 | 「冷凍庫に入れやすいサイズで良い」「もう少し大きい方が、特別感があって嬉しい」 | 「ちょうど良い」と回答した人が80%、「大きい方が良い」と回答した人が15% |
この表のように、定性データと定量データの両方を分析することで、ユーザーの声を多角的に捉えることができます。
「これは使える！」
そんな気づきを大切に、改善プロセスを進めていきましょう。
売れるパッケージに必要な3つの視点
では、ユーザーテストを通じて見えてきた、「売れる」ために欠かせない3つのポイントを解説します。
視覚インパクト：色彩やフォントの選定
まず、パッケージの色使いは、商品を手にとってもらうための重要なフックになります。
- ターゲット層が好むカラーは何か？
- 商品のイメージを適切に表現できているか？
これらをしっかり吟味して、開封前から心を惹きつける色選びを心がけましょう。
フォント選びも、ブランドの世界観を伝える大切な要素です。
可愛らしい印象を与えたいなら、丸みを帯びたフォント。
高級感を演出したいなら、細身で洗練されたフォント。
こうやって、文字の見た目にもこだわり、ブランドらしさを際立たせていきましょう。
使いやすさ：形状と開封体験
「あっ、これ開けやすい！」
そんな些細なことが、ユーザー満足度を大きく左右します。
例えば、冷凍食品なら、凍った状態でもスムーズに開封できるかどうかが重要ですよね。
- 開け口は分かりやすく、力の弱い人でも簡単に開けられるか
- 持ち運びしやすい形状になっているか
- 冷凍庫や冷蔵庫にスッキリ収まるサイズか
さらに、「サクッと」「トロッと」といったオノマトペを使って、食感や開封時の楽しさを表現するのも効果的です。
使いやすさは、リピート購入に繋がる重要なポイント。
ユーザー目線に立った設計を、とことん追求しましょう。
ブランドストーリー：コピーライティングの役割
パッケージに添えられた言葉は、商品の魅力を伝え、ブランドへの共感を生む重要な役割を担っています。
“一口で、幸せ広がる。濃厚な味わい、とろける幸せ体験”
こんなキャッチコピーがあれば、「どんな味なんだろう？」とワクワクしますよね。
特に若者層をターゲットにする場合、「エモい」「チルする」といったトレンドワードを取り入れるのも一つの手。
「このブランド、分かってるじゃん！」
そう思ってもらえるような、心に刺さる言葉選びを心がけましょう。
- 商品の特徴やこだわりを、簡潔に表現できているか
- ターゲット層の心に響く、共感を呼ぶ言葉が使われているか
- ブランドの世界観を、一貫して伝えられているか
数字を使ったキャッチコピーも効果的です。
- 満足度98%！
- シリーズ累計100万個突破！
など、実績をアピールすることで、商品の信頼感や人気を伝えることができます。
ユーザーテストから見える改善プロセス
ここからは、ユーザーテストをどう進めて、パッケージ改善につなげていくのか、具体的な流れを解説します。
実際のテストフローとスケジュール
「ユーザーテスト、やってみたいけど、何から始めればいいの？」
そんな疑問にお答えします。
まずは、以下の4ステップで準備をしましょう。
- テストの目的を明確にする
- ターゲットに合った参加者を集める
- テスト内容を設計する(質問項目、行動観察ポイントなど)
- 実施スケジュールを立てる
特に大切なのが、テストの目的を定めることです。
- 「新商品のパッケージ案、AとBどちらが好評か？」
- 「既存商品のリニューアル、どこを改善すべきか？」
目的によって、テスト内容も変わってきます。
また、現実的なスケジュールを組むことも重要です。
準備から実施、結果分析まで、各ステップに十分な時間を確保しましょう。
実際にテストをしてみると、リアルな消費者の行動パターンが見えてきます。
例えば…
┌──────────────────────────────────────┐
│ ユーザーテスト：行動観察 │
├──────────────────────────────────────┤
│ ・多くの人が商品を手に取って、裏面の成分表示をじっくり読んでいる │
│ ・開封に手間取っている人が複数見られた │
│ ・「この色、かわいい！」とパッケージを撮影している人がいた │
└──────────────────────────────────────┘このように、予想外の発見があるのも、ユーザーテストの面白いところです。
テスト結果のフィードバックと改善事例
さて、ユーザーテストで得られた結果を、どうやって改善に繋げていくのか。
- 「開封しづらい」という意見が多かった → 開け口の形状を見直し、より簡単に開けられるように改良
- 「成分表示が読みづらい」という指摘があった → 文字の大きさやフォントを変更し、視認性を向上
- 「キャッチコピーが分かりづらい」という意見があった → より具体的な表現に修正し、商品の特徴が伝わるように変更
これらの意見を参考にし、実際にパッケージを修正してみましょう。
私が担当した冷凍スイーツの案件では、こんな改善を行いました。
- ユーザーの声：「もっと特別感がほしい！」
- 改善ポイント：光沢感のある素材に変更し、高級感をアップ
さらに、若年層の「映え」ニーズに応えるため、こんな工夫も。
- ユーザーの声：「パッケージが可愛いから、SNSに載せたい！」
- 改善ポイント：背景カラーをトレンドのパステル調に変更し、写真映えを強化
これらの改善によって、商品の魅力がさらに引き立ち、SNS上でも「このスイーツ、パケ買いしちゃった！」と話題に。
まさに、ユーザーテスト様様です。
ちなみに、パッケージの製造を依頼する企業選びも重要です。
例えば、朋和産業は、環境に配慮した素材を使ったパッケージ製造に長年取り組んでいる企業として知られています。
ユーザーテストで得られた知見を活かしつつ、それを実現してくれる製造パートナー選びにも、ぜひこだわってみてください。
SNSと連動するパッケージ戦略
「バズるパッケージを作りたい！」
そんな願いを叶えるためには、SNSとの連携が欠かせません。
ここでは、特に若者層へのアプローチに効果的な、SNS映えを意識した戦略を紹介します。
映えを誘導する見た目の工夫
まずは、思わず写真を撮りたくなるような、魅力的なパッケージデザインを心がけましょう。
- 商品の周りに余白を作ることで、写真全体のバランスが良くなり、スッキリとした印象になります。
- 商品そのものの色合いだけでなく、背景カラーとの組み合わせも大切です。例えば、スイーツの色味と相性の良いパステルカラーを背景に使うと、統一感のあるおしゃれな写真に仕上がります。
「この角度から撮ると、いい感じ！」
そんな、撮影したくなるポイントを、デザインの中に散りばめておくのです。
さらに、美味しそうに見える撮り方のコツを、パッケージの裏面などに載せておくのも効果的。
- 角度
- 光の当て方
- 添える小物
パッケージを工夫するだけでなく、ユーザーが「真似したい！」と思うようなヒントを積極的に提供することで、SNS拡散を後押しできます。
例えば、
「上から撮ることで、トッピングの美しさが際立ちます」
「自然光で撮ると、よりナチュラルな雰囲気に仕上がります」
「お気に入りの食器と一緒に撮って、自分だけの楽しみ方をシェアしよう！」
などのメッセージを添えると、ユーザーも楽しみながらSNSに投稿してくれるでしょう。
拡散力を高めるハッシュタグとキャッチ
SNSで「バズる」ためには、ハッシュタグの活用が重要です。
- #商品名
- #ブランド名
- #商品の特徴（例：#とろける食感）
これらを組み合わせた、オリジナルのハッシュタグを考案しましょう。
さらに、思わずシェアしたくなるような、キャッチーな短文コピーも効果的です。
- 「一口食べたら、もう止まらない！」
- 「この夏、絶対食べたいスイーツNo.1」
短く、インパクトのあるフレーズで、見た人の心を掴むのです。
そして、リリース後も、SNSマーケティングで継続的にファンを育てることが大切です。
- 新商品の情報をいち早く発信
- ユーザーの投稿をリポストして、コミュニティを活性化
「このブランド、いつもワクワクさせてくれる！」
そう思ってもらえるような、継続的なコミュニケーションを心がけましょう。
| 戦略 | 具体例 | 目的 |
|---|---|---|
| ハッシュタグ戦略 | 商品名（#とろける幸せケーキ）、ブランド名（#〇〇スイーツ）、特徴（#新食感）などを組み合わせたハッシュタグをパッケージや広告に記載 | ユーザーが投稿しやすく、ブランド側も投稿を追跡しやすくなる。UGC（ユーザー生成コンテンツ）を促進し、認知拡大と購買意欲向上を狙う。 |
| キャンペーン戦略 | ハッシュタグをつけて商品を投稿した人の中から抽選でプレゼント、公式アカウントのフォロー＆リツイートで参加できるキャンペーンなど | 話題性を高め、ブランドの認知度向上を図る。新商品発売時などに有効。 |
| インフルエンサー戦略 | ターゲット層に影響力のあるインフルエンサーに商品を提供し、レビューを投稿してもらう | インフルエンサーのフォロワーに商品を認知させ、購買意欲を高める。商品の信頼性向上にもつながる。 |
| コンテンツ戦略 | 商品を使ったアレンジレシピ、映える写真の撮り方、ブランドストーリーなどを定期的に投稿 | ユーザーとのエンゲージメントを高め、ブランドへの愛着を育む。長期的なファン育成につながる。 |
| UGC活用戦略 | ユーザーが投稿した商品写真やレビューを、公式アカウントでリポストやいいねをする | ユーザーとのコミュニケーションを活性化し、ブランドへの親近感を高める。UGCを増やすことで、広告費を抑えながら認知拡大できる。 |
| ストーリーズ活用戦略 | 新商品情報、製造工程の裏側、キャンペーン告知などをストーリーズで発信する | リアルタイム性の高い情報を発信し、ユーザーの関心を引く。アンケート機能などを活用して、ユーザーとの双方向コミュニケーションを図ることもできる。 |
このように、多角的なSNS戦略を展開することで、ユーザーとの接点を増やし、ブランドへの愛着を育むことができます。
まとめ
ユーザーテストは、売れるパッケージを生み出すための強力なツールです。
- リアルな声を集め、デザインとコピーを徹底的にブラッシュアップ
- 視覚インパクト、使いやすさ、ブランドストーリー、3つの視点を常に意識
- SNSと連動して、さらなる「バズ」を狙う
これらのポイントを押さえれば、きっとあなたの手から、ヒット商品が生まれるはずです。
さあ、次はあなたの番です。
ユーザーテストを重ねて、心に響くパッケージを確立するプロセスを楽しんでいきましょう。
「これ、絶対売れる！」
そう確信できる、最高の商品を、一緒に創り上げていきましょう！
最終更新日 2025年3月5日