最終更新日 2024年11月5日
「東京国立近代美術館について詳しく知りたい」
「春田英樹氏の経歴に興味がある」
「美術館巡りをしたい」
普段からあまり美術に詳しくない人であっても、1度は東京国立近代美術館という名称を聞いたことがあるはずです。
その名の通り、ここは東京都に所在する国立の美術館であり、国が運営するものとしては、日本で最初の美術館で知られます。
美術館好きの春田英樹もこの東京国立近代美術館にはよく訪れているそうです。
本館の所在地は東京都千代田区北の丸公園ですが、昭和27年(1952年)設立当初は、中央区京橋にあった旧日活本社ビルを改装した上で開館。
近代美術をいつでも国民に広く展示できる国立の美術専門施設として、長年の念願を果たしました。
ちなみに旧日活本社ビルの改装には、日本を代表する建築家の1人、前川國男が設計を手がけています。
本館の他にも石川県金沢市に国立工芸館を運営
なお東京国立近代美術館は本館の他にも、石川県金沢市に国立工芸館を運営します。
このように中央区京橋でスタートを切った東京国立近代美術館ですが、所蔵作品が続々と増え続けると同時に、企画展示のスペース拡充へのニーズも徐々に高まるにつれて、やがて本館の移転が検討されるようになります。
そこで評議員の1人であったブリジストンタイヤの創業者、石橋正二郎が寄付を申し入れ、有名建築家で工学博士の谷口吉郎が新館の設計を手がけることで、昭和44年(1969年)に現在地である千代田区北の丸公園への移転が実現します。
また同じ場所には工芸館も昭和52年(1977年)に開館しており、令和2年(2020年)に石川県の金沢市へ移転するまで、ここで数多くの工芸美術品を展示し続けていました。
しかしその後、本館でもコレクションの増加や企画展示の多様化、そして地震への対策といった課題から、鑑賞環境を含めた整備と充実が求められるようになります。
そこで築30年を機に大規模な増改築を決定し、その工事は平成13年(2001年)9月の竣工まで続きます。
結果的に展示室の拡張をはじめ、閲覧サービスのできるアートライブラリの整備や、レストランやミュージアムショップの新設、そして休憩スペースの増設など、最新鋭の設備や機能が続々と竣工していきます。
さらに開館60周年を迎えた平成24年(2012年)年には、所蔵品ギャラリーの大規模なリニューアルも果たします。
年間を通じて幅広く多彩な活動を行っている
このようにハード面とソフト面の両方を刷新したことで、約4500平方メートルの展示スペースを誇る、国内有数の本館として再スタートを切りました。
東京国立近代美術館では展覧会をはじめ、年間を通じて幅広く多彩な活動を行っています。
まず展覧会の活動では、所蔵作品展と特別展そして共催展が基本。
所蔵作品展は20世紀以降に日本国内で歴史的に多様な展開を見せた所蔵作品を展示する一方で、特別展や共催展では多彩なテーマや切り口を設定し、魅力あふれる展示作品を構成します。
例えば2Fから4Fの所蔵品ギャラリーでは、所蔵作品展「MOMAT コレクション」を開催。
海外の作品も紹介した上で、20世紀初頭から今日までの日本美術史の流れを概観できるように工夫しながら、国内有数の近代美術コレクションを展示します。
具体的には重要文化財15点を含む13000点もの膨大なコレクションの中から、毎会期ごとにプロの専門スタッフ等が約200点を選りすぐり、原則的に時代ごとに章分けするなどして、初心者の方でもできるだけわかりやすいように構成します。
また年数回ほど定期的に大規模な展示替を実施し、特定の作家またはテーマの特集展示や小企画を開催することで、多角的な視点で所蔵作品を展示できるように努めています。
美術品の収集や保管
そして作品展示と並ぶ重要な活動になるのが、美術品の収集や保管です。
本館では国内最初の官設公募展もしくは文部省美術展覧会の開催年である明治40年から、今日に至るまでの約100年の間に創作された、国内外の様々な美術作品を収集し保管しています。
ちなみに収蔵数は13000点以上にものぼり、そのジャンルも日本画や洋画の他、版画や水彩または素描、さらに彫刻や写真そして映像など、幅広く多岐にわたります。
同時に図書や資料の収集も、忘れてはならない重要な活動と言えます。
本館に併設されているアートライブラリには、約5千タイトルもの美術雑誌を所蔵。
さらに国内外の画集をはじめ写真集や展覧会カタログ、そして各種美術参考書といった関連図書や資料も、約15万という膨大な所蔵数を誇ります。
なお当アートライブラリでは美術図書館連絡会に加盟しており、国内の美術図書室が多数参加している美術図書館横断検索を利用することで、各地の図書館から本館の所蔵資料を検索することが可能です。
まとめ
最後に注目したいのが、教育普及活動です。
まず所蔵作品展では月1回ほどのペースで、解説ボランティアや学芸員によるキュレータートークを実施している他、企画展でも講演会やシンポジウムさらにギャラリートーク等を開催するなどして、来訪者へ積極的に普及活動を行っています。
この他にも教育機関の団体を対象とした鑑賞プログラムや、未就学児を連れたファミリー向けにワークショップ等も、積極的に提供しています。